低圧電気取扱者特別教育を受講してきました。
低圧電気取扱者特別教育とは
感電災害を防止するための特別教育です。
対象は電気取扱作業に従事する方。
簡単にいうと
・充電部の露出したブレーカーを操作する。
・バッテリーへ端子をねじ止めする。
・低圧ヒューズの取り替えをする。
なんて簡単な作業にも必要です。
事業者が命じて受講させる必要があります。

電気主任者、電気工事士持ってたら不要?
電気主任者、電気工事士を持っていても受講必要です。
電気主任者、電気工事士は経済産業省。
低圧電気取扱者特別教育は厚生労働省。
管轄が違います。
また重要なポイントは
「電気主任者、電気工事士は労働災害に関する事項が含まれていない」
低圧電気取扱者特別教育の主目的は、労働災害の防止ですから。
感電災害って多いの?
感電災害が怖いのは重大事故につながる確率です。
感電災害以外で重大事故につながると思われる「墜落事故」。
墜落事故での死亡率は3~4%。
これに対して感電事故での死亡率は13~14%。
電気は電圧によって次のように分けられています。
交流 | 直流 | |
低圧電気 | 600V以下 | 750V以下 |
高圧電気 | 600Vを超え 7000V以下 | 750Vを超え 7000V以下 |
特別高圧 | 7000V以上 | 7000V以上 |
今回受講したのは低圧電気の取扱特別教育。
電圧低いから安全なのかなとイメージします。
実際は感電事故での死亡率は65%が低圧電気で起こっています。
低圧電気に対する意識の低さが原因とされています。
発生する時期としては6月から9月に集中。
原因は
・汗をかいて通電しやすくなっている
・半袖や腕まくり
が考えられます。
安全な電圧ってどれくらい?
人体への影響が低い安全電圧というものが定義されてます。
不思議ですが国によって異なります。
日本 | 25V以下 |
ドイツ、イギリス | 24V以下 |
オランダ | 50V以下 |
本当に怖いのは電流、通電時間、経路
感電事故での被害の大きさを決定するのは
1.電流の大きさ
2.通電時間
3.電流の流れた経路
です。
電流の大きさによる人体への影響の大きさです。
1mA | 感じる |
5mA | 苦痛 |
10mA | 体の自由が失われる |
20mA | 呼吸困難 |
50mA | 意識喪失 |
100mA | 心室細動で死に至る |
ちなみにこの電流値がどれくらいかというと
100Vで20Wの電球の抵抗値は500Ω。
この電球に25Vの電圧をかけても点灯しません。
それでもオームの法則 電流 = 電圧 ÷ 抵抗で計算すると
25 ÷ 500 = 0.05 A = 50mAになります。
つまり20Wの電球すらつけられない電流値ですら
死の危険があるという事になります。
特別教育受講してない人が労働災害を起こしたら?
この特別教育を受講してない従業員が感電による労働災害を起こしたら
✔罰則は特にありません
✔事業者が労働基準監督署からめちゃくちゃ怒られます
✔もちろんコンプライアンス違反になります
事業者、管理職、監督者の方は部下の受講状況を管理。
電気を扱うすべての人に受講させるようにして下さい。

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