工場での改善提案のネタを16個まとめてみました。
うちの工場では改善提案の提出が求められています。
ノルマは改善提案年間提出件数で15件/人。
私は運がいいことに生産技術という仕事柄、工場での改善提案のネタやアイデアは見つけやすいです。
担当している工場内のラインで作業者さんが作業をしているのを見ていて
・やりにくそうだな
・危ない作業だな
・こうやったら早くできるんじゃないの
とか改善点やネタが見つかる事が多いです。
これらを対策する事で改善提案として提出しています。
他にも現場の作業者さん、監督者さんから
「こんなことで困ってるんだけど、なんかいい手ない?」
と相談されたり。
入社してこれまでノルマの改善提案提出年間15件が達成できなかった事はありません。
しかし、これはうちの工場では稀な例でかなりの人が1件も改善提案を提出しない。
改善提案を提出してる人でも15件に未達の人が大部分を占めています。
作業者さんは特に毎日同じラインで同じ作業を繰り返しています。
他のラインを見に行って参考にする事もできないです。
よって「改善提案出せ」と言われても狭い作業範囲からネタ出てこない。
改善提案提出件数は評価査定にも影響しますから重要なんですが。
そんな方の助けになればと、私が実施した改善提案ネタ、アイデアでどこの工場でも使えそうなものを紹介します。
工具、治具の指定席化
工具や治具の置き場が決まっていないと工具や治具を「どこだっけ?」と探すことから始まります。
探す時間の無駄とよく似た治具を間違えて使ってしまい仕損を発生させるリスク回避。
うちの工場でも治具の取り違えで設備トラブルを引き起こした事があります。
スポンジなどを工具の形に姿彫りで切り抜いて指定席化しておくと見た目も綺麗です。
返却忘れの工具も一目瞭然です。
設備側でプログラムナンバーなどあるならその順番に治工具を並べてプログラムナンバー、機種名等を明記しておくのもいいです。
最近ではRFIDを使っていつ、誰が、工具を持ち出して返却したのかを管理されている所もあります。
5Sにつながる改善提案のネタです。

治具の固定
作業台の上に持ってきて使う治具があるとします。
工具で締め付けるなどの作業をした時に治具が動いてしまうと「やりにくい」の元になります。
そうならないように治具と作業台に穴を開けておき位置決めピンを挿入してロック。
滑り止めマットを敷くのもあり。
または、単純にC型クランプ(シャコマン)を使ったりしてもいいです。
小型化したいなら鉄板をコの字型に曲げて蝶ボルトを付けるのもありです。
こんな小さなことでも作業がやりやすくなり改善提案になります。
作業改善につながる改善提案の ネタ です。

治具の多機能化
いくつもの治具を一つの工程で使用しているなら、一つの治具で多機能を満足させられるものを再製作。
治具の持ち替えの手間が省けます。
このネタ は作業工数に直結する改善提案事例にできます。
治具の軽量化
手で持って使う治具はもちろん、置いて使う治具でも重いのは作業者さん大変です。
段取り替えのたびに重い治工具を保管場所と作業台の間を運搬することになります。
可能であれば材質の変更、肉抜きなどして軽量化して下さい。
このネタ は安全対策にもなる改善提案事例になります。
作業範囲の見直し
作業がしやすい範囲ですべての動作が収まるように。
上は肩の高さ、下は腰の高さが基本です。
作業スペースには限りがありますから、物を置く場所が足りず振り向き作業が必要な場合があります。
その場合でも振り向き角度は45度までにしたいです。
物の置き場所を変更するだけなので現場でもできる改善のネタ です。
このネタは作業工数の短縮につながる改善提案事例になります。
平面度検査で何度も定盤の上に置き直している
1つの製品面の平面度を確認するのに定盤の上に何度も置き直して確認してませんか?
定盤をターンテーブルで回してしまうのはいかがでしょうか?
マワールなど使用するのもいいですが、私は定盤にピッタリサイズのものを設計しました。
設計される場合、回転させたら定盤がズレたって事がないように定盤のズレ止めもお忘れなく。
このネタは 作業工数の短縮と品質改善につながる改善提案事例になります。
1つの設備を使用せずに下流工程に流してしまう恐れ
1つの設備で製品の見た目がはっきり違う工程では必要ないかもしれません。
ただ、検査装置など見た目に変化を与えない、または識別マークが付けられる程度の場合、設備を通さずまるごと飛んでしまう恐れがあります。
設備AとBの間にリレーを設置するなどの簡単改造で、Aの設備が1つ終わったらBの設備が1つ動きますという事をしました。
このネタは不良品流出対策(品質対策)につながる改善提案事例になります。
設備の監視
離れた場所にある設備をその場で確認できるようになれば。
気が付いていなかったけど、長時間設備が異常停止で止まっていたというのが防げます。
監視カメラなどを使うアイデアはいかがでしょうか?
設置したのは塚本無線の製品。
モニター1台でカメラ4個まで設置できます。
1個のカメラだけを拡大表示する事も可能ですよ。
このネタは設備の有効利用と無駄な動力削減(省エネ)につながる改善提案事例になります。

設備の異常停止をデータ取り
設備異常時のデータロギングです。
うちの会社ではPLC関係は三菱製を使用しているのでGOT(タッチパネル表示器)にロギング機能がついています。
これを活用してチョコ停、ドカ停など異常停止時の履歴を取ります。
・異常コード(どの工程、何ができなかったのか等なるべく詳細にコード化できるほど〇)
・異常発生日時
・自動運転復帰までにかかった時間
・作業者スキルも求められる場合は作業者情報
をデータ取りします。
これを定期的にSDカードなどを介してパソコンにてデータ分析です。
データ集計する事で何の異常がどのくらいの頻度で発生しているのか、
復帰までに時間がかかるのはどういう異常かが分かります。
チョコ停、ドカ停の区別は自動運転復帰までにかかった時間でわかります。
もちろんわかるだけで終わらせては意味が無いのでこれをネタにQC活動していったりしてほしい。
チョコ停対策、結果が出ると設備稼働率が上がるだけでなく作業者さんの負担軽減にもなります。
これまでQC活動で一番面倒くさかった改善前後のデータ取りの部分がEXCELでの分析だけで済むようになります。
これの一番いいところは対応するPLC,表示器などさえ設置済みであれば改造費用はゼロでソフトの変更だけですむところです。
照明の取り付け位置の適正化
設備照明の取り付け高さは適正ですか?
手元を中心に明るくしたいのであれば、なるべく下に設置した方が有利です。
特に小型のLED照明ではその傾向が顕著です。
エリアセンサーを遮ってしまうなどの理由で大きな照明をつけられない場合の改善提案事例です。

エアーガンをパルスブローエアーガンに変更
エアーガンをパルスブローエアーガンにする事でエア使用量を半減できます。
コンプレッサーで圧縮空気を作る事にかかる電気料金は工場全体の20~30%を占めるといわれます。
その中でもエアブローは42%にのぼります。
このエアブローを連続噴射から間欠噴射にする事で省エネ化、ブロー威力向上ができます。
コンプレッサーエアの使用量低減、エアガン変更で省エネ化
このネタは省エネ化につながる改善提案事例です。

測定器の位置を変更
作業開始前点検など点検を行う際に設備の裏に回らなければ点検できない項目などないでしょうか?
圧力計、流量計など、通常の作業位置から確認できれば点検時の歩数も削減できます。
「あれ?なんかおかしいぞ」と思ったときもすぐにチェックができます。
このネタは点検工数の低減につながる改善提案事例です。
測定器の表示レンジの適正化
0.2MPa程度で使用する設備に対して1.0MPaとかの圧力計ついてないでしょうか?
圧力の表示範囲を適正化することでより正確に読み取る事ができます。
このネタは日常点検での異常への気付きにつながる改善提案事例です。
給水、排水の配管径の見直し
水を溜めて使用する設備などで、水が溜まるまで待っている時間。
排水が終わるのを待っている時間の無駄の排除です。
配管サイズを見直す事で給水時間、排水時間を解消できるなら是非。
このネタは手待ち時間の低減につながる改善提案事例です。
可動部分に安全カバー設置
設備可動部分に手が入る構造の場合、安全カバーの設置を検討する。
恒久的に取り付けるのが難しい場合は容易に脱着できるものでもないよりいい。
このネタは安全対策につながる改善提案事例です。
ゴミ箱の容量の見直し
1日に何度もゴミ捨て場に行かなきゃいけないならゴミ箱を大きな容量のものに変更。
逆に1日(1直)で半分も溜まらないようなら小さなものに変更。
捨てに行く手間とゴミ箱を置くスペースを見直しましょう。
このネタは工数と作業スペースの見直しにつながる改善提案事例です。
いかがでしょうか?
工場、会社で使える改善提案のアイデア、ネタのヒントになればと思います。
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